幻のオリンピックからよりよい未来へ

 

来週、オリンピックの開幕を迎えるはずでした。

コロナによるオリンピックの中止、誰も想像しなかった今があります。

 

幻のオリンピックというと思い出すのは40年前7月の1980年モスクワオリンピックのボイコット不参加です。(81ヶ国参加、約50ヶ国不参加)

東西冷戦下、社会主義国での初開催、クマのミーシャや西ドイツのジンギスカンの楽曲

めざせモスクワ」の大ヒットで大いに盛り上がっていたところ、

開催国ソ連のアフガニスタン侵攻を受け、1980年になってから米国を中心にボイコットの動きが広がりました。

日本も5月24日に不参加を決めました。その時の柔道の山下選手(現JOC会長)の涙を忘れられません。

実際には、西側先進国(OECD加盟国)でボイコットしたのは日本、米国、カナダ、西ドイツ、ノルウェイ、トルコの6ヶ国でした。各国のオリンピック委員会は、政治とスポーツは別との判断を下したと言われています。

私事ですが、当時、東京外国語大学のロシア語学科の学生で、入学時にロシア語科の学生は全員ボランティアでモスクワへ行けると聞いていました。

 

そんなわけで幻のオリンピックとなりましたが、大会自体は盛り上がり閉会式のスタンドのマスゲーム「クマのミーシャの涙」のペーソスある演出も評判となりました。この大会を通じての交流が、冷戦終結への一つの流れを作ったことは、歴史が教えています。

 

来年への延期が模索されている東京オリンピック、全員参加はままならない中でも、「スポーツでよりよい社会に寄与したい」という山下JOC会長の言葉通り、創意工夫で、シンプルで未来へ希望を持てる新たな大会のあり方が創出できればと願っています。

 

※余談 「めざせモスクワ」をヒットさせた西ドイツのグループ「ジンギスカン」は西ドイツ不参加でしたが、大会に招待されました。

 

OJはロシアにご縁があります。「めざせモスクワ」ビデオでモスクワのスケールの大きい風景をお楽しみください。

 

R.K.

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