除草剤主成分グリホサート使用、EU内禁止は2022年が期限

毎年日本に帰国すると伊豆にある別宅の除草をしています。1年に一度しか除草しないため、翌年には再びジャングルになっています。

ドイツに比べると日本の植物の強さと量は圧倒的で、愛でるというよりむしろ戦うものという印象です。草刈り機を借りて表面の草を刈り、根の強い植物を掘り出していく作業は延々と続き、全く終わりがありません。もはや疲れ果て、昨年初めて除草剤を使ってみたところ、今年の草刈りは驚くほど楽でした。

しかし、除草剤を使うか否かは非常に悩ましいところです。それというのも、除草剤の主成分はグリホサート。世界でも日本でも最も売れている除草剤「ラウンドアップ」の主成分でもあり、その危険性が世界的に問題にされています。

国際がん研究機関IARCは2015年に「ガンを誘発する可能性がある」ランク2Aとし、オランダやフランスではすでに発売禁止、アメリカの裁判所では同除草剤によってガンになったという男性の訴えに基づいてメーカーに多額の賠償金命令が出され、バイエル製薬とラインドアップのメーカーであるモンサント社は異を唱えているという状況です。EU内では2022年までしかこのグリホサートの使用は認められていません。

 

ドイツ鉄道は先週これまで線路の90%にあたる6万3000㎞に使っていた除草剤の使用料を半分に減らすと発表しました。これはドイツ国内で消費される除草剤の0.4%にあたり、農業や園芸分野でより多くの除草剤が使われているとはいえ、EU規程に準ずる方向に持っていくためのドイツの分かりやすい舵取りとして評価できると思います。2023年までの許可延長は期待する向きもありますが可能性は低いようです。

製薬会社ならいざしらず、一般的には誰しもできることなら生態を汚染する薬剤は使いたくないでしょう。ただ他の方法として考えられる、手作業、熱湯、蒸気、電気、UVライトにはより多くの労力と経費がかかることが予想されます。

 

EU内で使用が禁止されるまで後3年。ドイツ鉄道など大きな機関が関わることで除草剤以外の除草方法が周知されていくことを期待します。

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