トリベルク:カッコウ時計とドイツ最大の滝

EUセンター:ドイツ ハイデルベルク(2000年開設)

 

ドイツには中程度の山岳地帯しかないためそもそも滝は多くありませんが、

「滝」という概念自体、平坦な地域では「滝」と呼ばれるものが勾配の強い地域では、

「急流」と呼ばれるなど、地域によって異なります。

 

ドイツ国内には約500か所の「滝」と呼ばれる場所がありますが、

そのうち約350件が南の2州(バイエルン州とバーデン=ヴュルテンブルク州)に属しています。

 

その中でも、ドイツ最長163mの滝があるのが、トリベルクというシュヴァルツヴァルト

(黒い森)にある人口約5000人の小さな町です。

 

電車でも車でもやや行きにくいのですが、シュヴァルツヴァルトの深部にあり、

「鳩時計(カッコウ時計)」の町としても知られています。

 

カッコウは、日本では漢字で「閑古鳥」と書くことから縁起が悪いとされたり、

語呂が悪かったりしたことで「鳩時計」に変えられた、日本独特の呼び方です。

鳴き声がカッコウなのでこれまで不思議に思った方もいらっしゃったかもしれません。

 

ちなみに鳴き声は一般的に止めることができ、

振り子式なので毎日もしくは1週間に一回程巻く必要があります。

 

セイコーのクォーツショックまでは腕時計も巻くのが当たり前でしたが、それも今はもう昔。

 

一方、戦後の日本で鳩時計がブームになった時期には日本製のものも作られました。

しかし、もう日本には職人がいないため、場合によっては修理も難しいこともあります。

 

ドイツのこの小さなトリベルクでは脈々と伝統が受け継がれ、

今も数多くの時計屋が軒を連ねています。

 

伝統工芸品とあって値段は安くありませんし、趣味性の高いものではありますが、

黒い森の雰囲気に流され、トリベルクで本場の本物を購入してしまう方も多そうです。

 

 

【見どころ】

●トリベルク滝

ドイツ国内最長163メートルで7段になっている。

https://www.schwarzwald.com/sehenswertes/triberg.html

●シュヴァルツヴァルト博物館

1936年に建設され、この地域の文化、生活、産業(鳩時計)、歴史を知るのに見ごたえのある博物館。

http://www.schwarzwaldmuseum.de/de/

●フォレストアドベンチャー(ザイルパーク)

森をそのまま利用して作られた施設でカラビナを使って安全に木から木を渡っていくスポーツで近年人気が高い

http://www.hochseilgarten-triberg.de/

●バードパフォーマンスショー

鳥たちの息を呑むデモンストレーションが体験できる。5月中頃にオープン予定。

https://www.greifvogelpark-triberg.de/

●市庁舎ホール

1926年に作られ、ふんだんに施された木製彫刻が美しい。

 

 

Y.A

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