ブルッフザール城 自動演奏楽器博物館

EUセンター: ドイツ ハイデルベルク(2000年開設)

センターより、直の、今の情報を発信して参ります。

 

ブルッフザールはハイデルベルクから約30キロ。

 

小さいながらかつて宮廷都市だったこの町にはバロック様式の宮殿があり、

その中の自動演奏楽器博物館には約500点の自動演奏楽器が展示されています。

 

小さな町の博物館でありながら驚くほど充実しているのは、

これがバーデン州立博物館の分館だからです。

 

アデナウアーが所有していた自動演奏ピアノ、

仕上がりが遅れたためにタイタニック号に設置されなかったオルガン、無声映画セット、

バイオリン付き自動演奏ピアノなど面白いものが見られます。

 

かつて録音ができなかった時代、音楽はその場で消えてしまう貴重かつ高価なものでした。

 

一方で音楽を聴くために楽器を物理的に自動で繰り返し演奏するという発想は、

すでに紀元1世紀から確認されています。

 

その最終的な総合形がオーケストラの自動演奏「オーケストリオン」です。

 

基本構造としてはパイプオルガンと同じで、打楽器や笛、弦楽器に到るまで様々な楽器の音を空気圧で操作します。

 

手回しオルガンのようなピンの突き出た大きな円筒や、

ロール紙型のパンチカード等を使うことで様々な曲が演奏できます。

 

ジャズが流行した1920年代のドイツでよく使われましたが、

1920年代後半に登場した蓄音機、ラジオの放送が普及によって世の中から消えていきました。

 

この博物館ではレコードやCDプレーヤーもましてMPプレーヤーなどなかった時代の人々の

音楽に対する熱意が伝わってきます。

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