EUセンター: ドイツ ハイデルベルク(2000年開設)
センターより、直の、今の情報を発信して参ります。
ドイツの水道水は衛生的には普通に飲んでも問題ありません。
しかしながら、大半の家庭は容器入りの飲料水(ミネラルウォーター)を使っています。
日本人にしてみると水道水が飲めるならなぜ飲まないのかが不思議ですが、
ヨーロッパではコレラなど伝染病の感染源が河川であったかつての歴史から
水道に対する不安が伝統的にあったことも要因の一つ。
さらに温泉を飲む飲泉の習慣があったことから(風呂として入るよりも
むしろ飲む方を重視)、水道よりも安全かつ健康的な飲料水として
19世紀以降ミネラルウォーターが普及していきました。
一方、ドイツのミネラルウォーターでは、家庭でもレストランでも「炭酸入り」が主流で、
スーパーの水売り場の水も炭酸水の方が多い印象です(炭酸ガス入りが8割を占める)。
同じように割合が高いのがオーストリア、一方で割合が最も低いのは、
炭酸水源の少ないスペイン(3%)となっています。
フランスの「ペリエ」やドイツの「ゲロルシュタイナー」は日本でも
知られるようになりましたが、炭酸水の種類は、
天然炭酸のものもあれば人口的に炭酸を加えたものまで、
メーカーも炭酸濃度も様々です
(場合によってはノンガスと記載されていても微炭酸のこともあり、
炭酸を抜く加工をしているものの元々は炭酸水というものもあります)。
炭酸水のシェアが高い理由としては、ヨーロッパには炭酸水源が多いことに加え、
いわゆる硬水(カルシウム塩とマグネシウム塩の含有量の高い)が多いヨーロッパの水でも、
炭酸が加われば飲みやすいことなどがあげられます。
口の中がすっきりする、あるいは子供の頃から慣れ親しんできた口当たり
(硬水はミネラル分が多いので癖がある)といった理由もあげられるでしょう。
いずれにしても、ドイツのレストランで「水」が自動的にサービスされることはありません。
単に「水」と注文した場合、あえて「ノンガスで!」と言わない限り、
炭酸入りのミネラルウォーターが出てきます。
よって、注文時には少し注意しましょう。
ノンガスの水は置いていないと言われた飲食店で「水道水」を出してくれるよう
お願いするのは、かなりのチャレンジです(大抵明快に断られます)。
スーパーで買う場合、日本人の口に無難なのはヴォルヴィック。
ヨーロッパでは珍しい軟水です。