EUセンター: ドイツ ハイデルベルク(2000年開設)
センターより、直の、今の情報を発信して参ります。
ドイツでは日本のコンビニエンスストアにあたるものが基本的にはなく、
日曜には普通の店舗も閉まります。
今日の法規制の基礎となっているのは、
戦後1957年に旧西ドイツで施行された「閉店法」です。
もともと閉店法は、キリスト教の安息日を維持すること、
労働者を保護すること、小規模小売店舗を保護することを目的として制定されました。
施行から30年以上経った80年代末に木曜日の営業時間が20時30分まで延長され、
2003年に土曜日も20時まで営業できるようになり、
さらに2006年には憲法にあたる連邦基本法の改正によって、
閉店法を定める権限が国から州へと委譲されました。
これにより、ドイツ16州の大半で平日24時間営業が認められるようになったのです。
この改定から10年あまり、実生活において日本のようなコンビニエンスストアは
大都市でも見かけません。
7時~0時までやっているスーパーが24時間営業と唄っている程度です。
日本人にとってはコンビニが存在しないことが信じられず極めて利便性が
低いように感じられると思います。
しかし、ドイツの消費者のライフスタイルには不可欠な営業形態ではないようです。
人件費が高く、アルコール飲料の販売が22時までに制限されている州もあり、
さらには警備に日本以上に費用をかけねばならないとなると、
夜中から明け方まで稼働させることのメリットが店舗側に少ないのも普及しない要因です。
個人的にはドイツでの生活を通じて24時間営業のコンビニの必要性は
あまり感じなくなりました。
そもそもすぐに手に入れる必要がある物はどれくらいあるのでしょう。
人の生活を長い目で見ると、利便性を限りなく追及する=生活の質が高い
というわけではないように思います。
日本のコンビニも本当に24時間営業する必要があるのかどうか、やや疑問です。
(青木)