EUセンター: ドイツ ハイデルベルク(2000年開設)
センターより、直の、今の情報を発信して参ります。
先日スーパーのレジ横に並ぶたばこの棚をみてぎょっとしました。
ホラー映画の宣伝かと見紛う警告パッケージのタバコがずらりと並び、
その衝撃は目を覆いたくなるほど。
表示は表裏とも3分の2を占め、一度見たら忘れられません。
世界的にタバコの健康被害が認識され、
警告パッケージは各国ですでに導入されていましたが、
欧州タバコガイドラインに基づき他のEU加盟国28か国とともに
ついにドイツでも5月20日より義務化されました。
そこから3ヶ月、この8月下旬に本格的にスーパーに並ぶようになったのです。
5月20日までに生産された警告メッセージのみのタバコは1年後に販売が禁止されます。
ドイツでは年間11万人の人がタバコの直接的な害によって死亡していると推定されています。
そういった数を踏まえ、企業の利権や国の税収よりも人命を尊重すべきとの考え方から、
すでに2010年には警告パッケージの導入が予定されていました。
しかし、国内でも物議をかもして今まで先延ばしされてきたのです。
今回の施行に際して、ある政治家が「毎日300人がたばこの害で死亡するのは止められないが、
若者300人がタバコを吸い始めるのを止めることはできる」と発言していたのが印象的でした。
(青木)