EUセンター: ドイツ ハイデルベルク(2000年開設)
センターより、直の、今の情報を発信して参ります。
「本当に時計の中に人がいるの?」 という声に振り向くと、
直径3メートル程の巨大な時計の中で人が動いています。
よく見ると半透明の文字盤の向こう側で動いている青いオーバーオールの人物は、
掃除をしているのではなく、1分毎に時分針を描き直していたのです。
この珍しい手描き時計は、オランダのアムステルダム/スキポール空港の
ラウンジ2で2016年7月1日から公開されるようになったもの。
オランダのデザイナーであるマーティン・バースMaarten Baas氏の作品です。
12時間分を撮影し、それを繰り返すことで24時間をカバーする映像パフォーマンスですが、
休むことなく淡々と消しては描き続ける姿に時の経つのも忘れてしまいます。
トイレや食事で休憩したら同じポーズから始めるなどして映像を上手く繋げたのでしょうか、
それともまさかストイックに12時間働き続けたのでしょうか。
時計の裏側を見ると、丁寧なことに同じく中が透けて見える窓のついたドアや手すりや
はしごがあり、実際に作業していると言われたら信じてしまいそう。
バース氏の”Real Time”シリーズの作品には「grandfather clock」や
デジタル版の手描き時計もあり、さらには別のシリーズとして粘土の質感たっぷりの
「クレイ・ファニチャー」や表面を焼いた家具”Smoke”シリーズなどがあり、
海外はもちろん日本でも注目されています。
(青木)