なせば成る


~ オスカー・ジャパンは日々、わくわくへ ~


 とても明るくてユーモアのある元気な父でした。

 やはり元気者だった祖父が、77歳まで現役で働いていたので、自分は、78歳まで働くと張り切っていました。

 上杉鷹山公の「なせば成る なさねば成らぬ何事も ならぬは人のなさぬなりけり」を座右の銘の一つとし、私にも、いつも「ならぬは人のなさぬなりけり、だよ」と励ましてくれました。

 そんな父でしたが、現役のまま、突然のがん余命1ヶ月の宣告を受け、1992年、60代であっという間に亡くなりました。一生懸命生きたいい人生でしたが、無念さが残りました。     

 病院では先生方も看護師の皆様も全力で取り組んで下さいましたが、当時は、告知のあり方も、治療の展望も見えない状況でした。

 その経験を通じ、私は、かつて、結核が不治の病であったことを克服できたように、がんが不治の病でない社会、がんになっても人が人らしく生きられる社会をと強く願いました。

 そして、願いが通じ、ご縁を頂き、オスカー・ジャパンは、2006年、がん対策基本法成立当初より、がん対策に係る諸事業に参画させて頂き、今日に至っております。

 ことに関係者の皆様のたゆまぬ努力の賜物で、この間、がんに伴うからだと心のいたみ、つらさをケアする、緩和ケアとサイコオンコロジーの目覚ましい普及により、がん患者とその家族を取り巻く医療環境は、劇的に改善されました。感謝とともに隔世の感を禁じ得ません。

 「なせば成る。」父の笑顔が浮かびます。

 

(R.K.)

父と最後となったパリで
父と最後となったパリで
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