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ポルトガル-スペインと似て異なる隣国

「ポルトガルはイベリア半島でスペインの端っこにあるから同じようなものじゃない?」と思っている方はいませんか。実は私はそう思ってきました。

実際、川が国境になっているとはいえ陸続き。両国を繋ぐ橋を渡る時もまるで隣町に行くような感覚です。

ドイツからフランスやチェコに移動するのと変わらず、国境を越えて分かる明らかな違いは1時間の時差と言葉ぐらい。

 

しかし数日すると両国の違いが見えてきました。

 

まずは、スーパーの海産物コーナーが驚くほど充実しています。特に冷凍された魚介がアイス冷凍庫のように量り売りされ、ドイツでは考えられないお買い得価格です。

中でもバカリャウ(塩漬けタラ)はポルトガルの国民食。スーパーでも別枠で売られていることが多く、その調理法はポルトガル人に言わせると365通り、すなわち毎日違う食べ方ができるほどバリエーションが多いのだそうです。

イカ・タコ・貝も常備で、タラコも生や冷凍で買うことができるのは、ドイツ在住日本人にしてみると食の天国と言えます。

スーパーも日曜日も開いているところが比較的多く、土曜日に焦って買出しに走るドイツと比べるとゆったり。

しかも、レストランも少し遅めとはいえ、スペインよりは2時間前シフトという感じなので、昼は12時過ぎ、夜は7時ごろに食べたい日本人には合わせやすい時間帯です。

コーヒーはエスプレッソで、1日にちょこちょこ何杯も飲む感じ。飲むというより打つという感覚に近く、コーヒーの味は好きだけれど大量には飲めないという人には良い飲み方です。

 

長期在住というわけでもないので、国民性について多くは語れませんが、ポルトガル人の方がスペイン人に比べて静か、声が大きくないというのは言えるかと思います。

スペインに入ってから気づきましたが、そういえばポルトガルでは怒っているのかと思うほど大きな声で話している人はいませんでした。

人の印象で言うなら、ポルトガル国内ではポルトよりもリスボンの方が全体的に愛想が良く、北は内向的・南は外交的というイメージでした。

海もリスボンから南は華やかですが、そこまでは断崖絶壁も多く、荒々しい日本海のようです。

高さ20メートルにもなる波が出るナザレをはじめ、サーファーが世界中からポルトガルに集まるのもうなづけます。

海岸線は同じような風景が多いということもあり、天気次第で表情が変わる海をゆっくり眺め、それ自体を楽しむのでむしろ見逃した感がなく、安心感があります。

しかも、イベリア半島西岸とあって、ここから見る大西洋に沈む夕日は格別です。オレンジとピンクに染まる空を眺めながら、これまでは見どころから見どころへと移動するハイライトを求めた旅が多かった…とふと我に返りました。

 

それもまた、ポルトガルの醸し出す「サウダージ」のせいかもしれません。これはポルトガル文化において重要な感覚で、「もう戻らない何かを、今も大切に思い続ける気持ち」と解釈できるのだそうです。

日本語では、郷愁・懐かしさ・切なさ・愛おしさ」に近いものの、どれも完全には当てはまらないのだとか。日本のわびさびやものの憐れに似た感覚とも言われます。

ポルトガルの伝統歌謡であるファドは、18世紀に庶民の酒場でそんなサウダージを歌って生まれました。一方で、ポルトガルの元植民地であったブラジルで1950年代に発展したのがボサノバです。

どちらもポルトガル語でも、ファドは演歌に近く、ボサノバはポップに近い感覚でありながら、サウダージという根っこは同じ。ブラジルで、ファドが太陽を浴びリズムが加わってボサノバになったとも言われます。

 

いずれにしても、日本でもドイツでもカフェに行くとバックミュージックでボサノバがかかっていることが多いですね。

ポルトガルのようなゆったりした雰囲気を求めてくるゲストに合わせやすい音楽なのかもしれません。(Y・A)

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