ラ・ロシェルは 12 世紀頃から貿易で栄えたフランス西岸の町です。
三つの塔に囲まれた港にはレース用ヨットや帆船が隙間なく並び、まるで港自体が船の博物館です。
停泊している船の種類は大きく分けて5つ。モノハルヨット(船体が1つだけのヨット)、クルーザー カタマラン、帆船、レーシングヨットです。
旧港と新港に分かれ、小型ク ルーザーや伝統的帆船は旧港に、大型クルーザーやレーシングヨット、大きなカタマランは新港に停泊しています。
特に形で分かりやすいのは、2つの船体が平行に結ばれているカ タマラン/双胴船。帆船はロープやマストの複雑さが特徴です。レーシングヨットは船体が細長くてマストが長く、スポンサーのロゴを背負っていることが多いです。船体に書かれている文字を見ると、船名の他に母港や国籍コード(国旗であることも)、スポンサーやチーム名、船のサイズや積載量であるのが分かります。
ラ・ロシェルは世界中のヨットレースの寄港地として知られており、これほど多くのヨットが集まっているのを見たのは初めてでしたが、これでも世界でみると中規模なのだそうです。
いずれにしても、歴史ある港で、広々とした遊歩道を歩きながらヨットを間近で観察できるのは、船好きな人な らいざ知らず、船を知らない人にとっても珍しいものではないかと思います。
世界で最も過酷な単独・無寄港・無支援の世界一周ヨットレース「ヴァンデ・グローブ」は4年に一度開催されることからも「海のオリンピック」と呼ばれます。
そのスタート/ゴール地はラ・ロシェルからもう少し南に降りたサーブル・ドルノン。
このレースでは世界一周44000キロ に通常3〜4か月かかり、ゴールまでいきつけるのは参加者の約6割です。
毎回のようにフランス人が優勝しており、今年は大会新記録で64日という驚異的な速さでゴールしています。
今年は24時間耐久レースで好成績をおさめたドイツ人も有力視されていましたが、結局優勝したのは今回もフランス人でした。
船が壊れても、自分が病気になっても押し寄せる間題に独りで対処するという、海・風・船・孤独との戦い‥。このレースは結果もさることながら問題に孤独に立ち向かう、現代の冒険家の姿が人々に勇気と共感を与えているのだろうと 思います。それにしても、どういう人が挑戦したいと思い、実現していくのかが実に気になるところです。
(Y.A.)