ドイツの珍しい山、「カリマンジャロ」

EUセンター: ドイツ ハイデルベルク (2000年開設)

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ドイツの真ん中テューリンゲン州から高速道路でフランクフルトに向かうと、

途中ちょうど州境の辺りに真っ白に輝く山が見えます。

 

その名も「モンテ・カリ」。

地元の人々は冗談めかしてこれを「カリマンジャロ」と呼んでいます。

簡単に言えば岩塩のボタ山です。

1893年にヴェラ川沿いで初めてカリウムについて言及されており、

1894年にはボーリング調査で、深さ470 mの地底に

幅2~3 m のカリウム層が見つかりました。

そして、さらに60 mから70 mの深さにももう一つの厚い層があったのです。

 

この鉱山は現在、世界最大のカリ採掘地域となっています。

その大きさは312平方メートルで群馬県前橋市に匹敵するものです。

現在はおよそ1億8,800万トンの塩からなっていますが、山の高さは常に変わり続けています。

それというのも現在も1時間ごとに900トンずつ大きくなっているのです。

 

遠くから撮ってもとても印象的ですが、登ることもできます。

毎年1万人の観光客が訪れ、晴れた日には、この頂きから周囲の山々

(ホーアー・マイスナー(Hoher Meißner )、レーン山地Rhön、チューリンゲン森、

北ヘッセン高地)に向かう美しい景色が広がります。

一方では、雨が降れば地域の土壌や地下水を

汚染することになるのではないかと不安になります。

 

しかし、現在では採掘された状態の塩(粗塩)から、

様々な塩の構成物を分離するのに静電特性を利用しており、

塩を含んだ排水を防いだことで、

かつて東ドイツ時代に完全に塩水となってしまった川に再び生物が戻ってきているそうです。

 

https://www.kalimuseum.de/

 

(Y.A)

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